説明及び注意事項(最終更新日:2009/03/31)
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②質問や各種の情報提供、(見解の相違ではなく)明白な間違い等ありましたら、
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「重国籍問題」に関する現在の構図
目次(関連ページ一覧)
テーマ別まとめ
資料・統計まとめ
議論まとめ
国会・国会議員情報
国籍制度に関する経緯と法務省の見解の整理
国籍法における「血統主義」
各国の国籍法における考え方は、おおまかに分けて「血統主義」と「出生地主義」があります。
「血統主義」は自国民の血が繋がっている子供は自国民とする考え方で、「出生地主義」は、両親の国籍に関わらず自国の領土内で生まれた子供は全て自国民とする考え方です。
出生地主義は米国等の多民族受入型の移民国家に見られ、日本を含むアジア諸国の多くは血統主義を採用しています。
日本の場合、1985年以前は父親が日本人の場合に子供に日本国籍を自動取得させる「父系血統主義」が採用されていて、1985年の国籍法改正により、父親もしくは母親が日本人の場合に、子供に日本国籍を取得させる「父母両系血統主義」が採用されるようになりました。
なお、日本は原則的には「血統主義」を採用していますが、日本で生まれた子供を無国籍にしないために、「父母がともに知れないとき、または国籍を有しないとき」に限って、その子供は日本国籍を取得できる「出生地主義」が限定的に採用されています。
国籍法における「血統主義」に関しては、純粋な意味での「血統」に拘って採用しているのではなく、立法における考え方として「出生地主義」と比較した場合に適切だから採用しているため、日本の伝統や実態とのズレが生じる場合もあります
(日本の国籍法上の「血統主義」という言葉の正確な所については、
日本の国籍法上の「血統主義」についての国会答弁を参照して下さい)。
世界の国の国籍法で血統主義・出生地主義の採用状況は、以下のようになっています。
父系優先血統主義の国
アラブ首長国連邦、アルジェリア、イラク、イラン、インドネシア、エジプト、オマーン、クウェート、サウジアラビア、シリア、スーダン、スリランカ、セネガル、マダガスカル、モロッコ、レバノンなど
両系血統主義だが、条件付きで生地主義を採用している国
イギリス、オーストラリア、オランダ、ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ など
出生地主義を採用している国
アルゼンチン、カナダ、アメリカ、ブラジル、アイルランド、グレナダ、ザンビア、タンザニア、ニュージーランド、パキスタン、バングラデシュ、フィジーなど
関連項目
参考サイト
1985年の国籍法改正
1985年までは、日本では「父系血統主義」を採用していたため、外国人と結婚した日本人女性の子供は日本国籍を取得できませんでした。
国際結婚をした方を中心にこの点を改善するための要望運動が行われ、1985年に「父母両系血統主義」を採用する国籍法改正が行われました。
その際の主な変更点としては、以下の3点になります。
①「父系血統主義」→「父母両系血統主義」への変更
②出生によって重国籍になった子供に22歳まで、成人は重国籍になってから2年以内に国籍を選ばせる「国籍選択制度」の導入
③婚外子の国籍取得に際し、出生後認知された子でも両親が結婚すれば日本国籍の取得を認める規定(国籍法3条1項)を創設
参考:外国人母との婚外子の日本国籍取得の推移
1985年の国籍法改正前は、結婚していない日本人の父と外国人の母の子は、胎児の時に父が認知していなければ日本国籍の取得が認められませんでした。1985年の改正で、出生後に認知された子でも両親が結婚すれば日本国籍を認める(3条1項)という規定ができましたが、生後認知されても両親が結婚していない子は日本国籍が取得できないままでした。
そのため、この点を争点に違憲訴訟が行われ、最高裁の違憲判決を受けて「父親の認知のみによって国籍取得できる」ようにと、2008年12月5日に国籍法改正が行われました(「国籍法3条1項関連のページ」で詳しく検討しましたので、偽装認知その他の問題はそちらを参照して下さい)。
関連項目
国籍選択制度の導入
1985年の国籍法改正により、日本では「父母両系血統主義」が導入されましたが、それに伴い、国際結婚で父親から父系血統主義の国籍を得て、母親から日本国籍を得て重国籍になる子供が増えました。
日本は「国籍唯一の原則」を採用して重国籍を認めていませんので、国籍法改正によって増加した重国籍者の問題を解消するため、「重国籍者は22歳になるまでにどちらかの国籍を選択する」国籍選択制度が創設されました。
そういった、出生によって自動的に重国籍を得る子供(一般重国籍者)が22歳になる2007年から国籍選択制度の実質的な運用が開始されましたが、現在の所、国籍選択届を出した重国籍者が1割~2割に留まるため、一般重国籍者の「重国籍問題」というものが出てきました。
この問題の現在の構図に関しては、
「重国籍問題」に関する現在の構図を参照して下さい。
関連項目
法務省が重国籍を認めない理由
各種の報道や関連書籍を読む限り、法務省は重国籍には反対のようです。
国会審議等では質問者の他国及び日本の制度理解に合わせた表面的な受け答えがされていますが、詳しい理由は以下のサイトで箇条書きで紹介されています。
重国籍に関する法務省の見解 自民党議員事務所からの回答 GCNET グローバル市民権ネット
http://www.gcnet.at/citizenship/homusho-kaito.htm
(1)二重国籍者については、主権国家が国民に対して有する対人主権が重複して及ぶため、外交保護権の衝突等国際的摩擦を生じる可能性がある。
(2)二重国籍者たる日本国民が同時に属する外国の軍事的役務につくことは、わが国にとって好ましくない。
(3)特定国との二重国籍者が増加すると、これを経由して、外国がわが国に不当な影響を及ぼす可能性がある。
(4)国際関係が緊張すると、二重国籍者本人にも不幸な事態が生じ得る。
(5)我が国に帰属意識を有しない形骸化した又は便宜的な日本国籍が増加する。
(6)
二重国籍者が属する各国の権利・特権を行使し得ることは、日本の国籍のみを有する通常の日本国民との間に、法律上の不公平を生ずる。
(7)
二重国籍者は、各国に別個の名で登録し、別個の旅券で二国間を自由に往来することが可能となるので、これを悪用して適正な入国管理を疎外する、重婚を行う等の弊害が生じ得る。
(8)なお、「人は、一個のみの国籍を有すべきである。」との国籍唯一の原則は、国籍立法の理想として国際的にも承認されているところである。
関連項目
参考サイト
参考:フジモリ元大統領のケースについて
「重国籍問題」の際、よく引き合いに出されるペルーの「フジモリ元大統領が日本との重国籍で日本の国政に立候補した件」についてですが、国籍法は1985年に改正されるまでは重国籍者の数が少なかったため、出生によって重国籍を得た人物の重国籍解消の規定が存在しませんでした。フジモリ元大統領が重国籍になった時代には国籍選択の制度がなかったため、
国内法に照らして合法な重国籍であり、特例を設けた訳ではありません。
日本の国政に立候補できた理由に関しても、国籍法改正後、日本は原則として重国籍を認めていないので規定そのものがないからで、国内法に照らして合法で特例を設けた訳ではありません。
「重国籍問題」に関する議論の整理
「重国籍問題」に関する現在の構図
衆議院議員 河野太郎発行メルマガ「ごまめの歯ぎしり」ブログ版 ≫ 重国籍を考える(2007/06/21)
http://www.taro.org/blog/index.php/archives/685
自民党国籍プロジェクトチーム。
改正国籍法により、重国籍者は二十二歳までに国籍の選択をすることが義務づけられているが、法務省はそのためのアクションをこれまでいっさいとってこなかった。
今年の1月1日からいよいよ対象者が二十二歳になっている。
法務省の行為なしでどの程度の人が国籍選択をしているかを法務省に調査してもらう。
法務省が任意に選んだ法務局で、対象者が選択しているかどうかを調べると、実に二割の人しか国籍選択をしていない。
国籍法は第十四条で国籍選択を義務づけているにもかかわらず、行政の不作為で法がきちんと運用されていない。
ということで、このまま重国籍者に国籍選択を義務づけるのか、あるいは重国籍を認めるのか、幾通りかのオプションを提示し、広く議論をしていただくことにする。
1985年の国籍法改正によって生まれてきた一般重国籍者の「重国籍問題」ですが、この問題に関する立場としては、概ね以下の3つがあります。
①重国籍は違法なのだから取締りを強化(一般重国籍者へは催告の実施)して対応する
②(違法なものも含めて)重国籍者が増えて国籍選択制度が機能していないので、重国籍自体を合法化する
③情勢に合わせて(取り締まり強化でも黙認でも)国民感情に合わせた運用へと変更できるように、曖昧なまま維持しておく
明言はしていませんが、以下の3点から、法務省は「③情勢に合わせて(取り締まり強化でも黙認でも)国民感情に合わせた運用へと変更できるように、曖昧なまま維持しておく」という立場をとっていると推測されます。
(1)一般重国籍者への国籍選択の催告は行っていない
(2)1985年以前は、外国の公職に就いた重国籍者などには、領事館員が必要に応じて「肩たたき」をして、慣例で重国籍解消を求めていた
(3)
現在、外国又は日本に帰化して重国籍になった者が違法に重国籍の権利を使用している事が報告された場合は、当該人物の国籍剥奪を行っている
③の立場を採る理由としては、(全ての法律の法運用にも同じ事がいえますが)予算や人員の関係から完全な法運用は無理だが、優先順位に合わせて出来る範囲での運用を行い、国民世論が違法な重国籍に厳しくなった場合には、直ぐに取り締まり強化に転じられる余地を残しておきたいというものだと思います。
こういった現状を踏まえ、海外在住の重国籍者の中には、外国帰化後も日本に届け出ずに日本旅券を使い続けること、日本国籍取得後も外国旅券を使い続けることを、「当然の権利」と主張して実行している人や団体もいて、そういった(違法である事を承知していながら権利使用する)見解や行動が、法務省や国内在住者以外にも、日本の法律に従って一つの国籍・旅券しか持たない海外在住の単国籍者から反発を受けるといった事も起こっているようです。
関連項目
参考サイト
「重国籍容認」に伴う「権利と義務」の関係
重国籍容認に伴う問題点として、「権利と義務の関係」をどうするかというものがあります。
重国籍者には「外国籍の留保(国籍留保)は許すが、外国籍の権利はもっていても使わせない」という対応をする国では問題になっていませんが、積極的に重国籍を認める国では、本国への納税は行わずに複数の国で権利(外交保護・居住権・社会保障受給権等)を要求する重国籍者が出てきた場合、国内在住の単国籍者から不満が噴出して問題になります。
海外の事例としては、アルゼンチンが経済危機に陥ったとき、アルゼンチンとの重国籍者の多いスペインが、「重国籍のままではスペイン永住帰国を許さない、重国籍者には生活保護を与えない」というような厳しい規制をしたという事があるそうです。
また、ベイルートで紛争が起ったとき、レバノン在住の重国籍カナダ人救出のためにカナダ政府が多大な支出を迫られ、その上で重国籍者にも社会保障が支給された事から、「納税していない海外重国籍者にそこまで社会保障するべきか?」という不満から、重国籍制度見直しの議論になったようです。
そういった「社会保障、その他権利のただ乗り問題」の解決方法の一環として、全世界で得た所得に課税する「属人主義」による課税を採用している国もあり、米国では
そういった課税問題を回避する脱税目的で米国籍を放棄する人が後を絶たないため、米国籍放棄の際はみなし課税をする法律ができるなど、この問題の解決を探る事は色々と難しいようです。
日本の場合、「国民の三大義務」としては以下のものがあげられます。
大日本帝国憲法:兵役の義務(20条)・
納税の義務(21条)
・教育の義務(憲法ではなく教育勅語により定められた)
日本国憲法:教育の義務(26条2項)・勤労の義務(27条1項)・
納税の義務(30条)
日本の場合、日本国憲法では兵役の義務は無くなり、今後課されるようになる可能性も極端に低いので、最重要項目は「納税の義務」になります。
現在、日本では重国籍を容認していないというスタンスですので、「属人主義」課税は採用していませんが、仮に採用した場合は所得の把握や徴税の際の管理の手間が大きく、国税庁の人員を大幅に増やす必要がでてきます。
参考サイト
「誰に」重国籍を認めるかという重国籍者の分類
重国籍問題の際は、「誰に重国籍を認めるか」といった問題で、主な分類としては以下の3種類があります。
①出生によって自動的に重国籍になった子供(一般重国籍者)
②自己の志望によって外国に帰化した成人の重国籍容認
③外国人受入れ型の重国籍容認
「重国籍問題」として政治の論点になっているのは、
②「自己の志望によって外国の国籍を得た成人の重国籍容認」という問題ではなく、①「出生によって自動的に重国籍になった子供(一般重国籍者)」の問題だというのが一般的です。
但し、一般国民だけでなく国会議員の中にも、②「自己の志望によって外国の国籍を得た成人の重国籍も認めるべきだ」という主張、移民政策推進の一貫として、外国人の日本国籍取得のハードルを下げるため③「外国人受入れ型の(無制限の)重国籍容認を認めるべきだ」という主張もあるため、「重国籍容認」の弊害が語られる際は、そういった主張が念頭に置かれる傾向があります。
日本の法案の問題点として、ある問題(この場合は、①の一般重国籍者の問題)を解決するために検討されたものでありながら、違った目的にすり替えられるといった事も多々あるため
、重国籍問題に関しては、「一部の重国籍者の利益のために日本国民全体を危険に追い込む可能性が高い」といった事も指摘され、海外在住者の「私益」と国内在住者の「公益」の間で議論になる傾向もあります。
なお、重国籍者の分類には、④(国籍法3条1項の改正によって成立する)届出によって日本国籍を取得した結果として重国籍になった子供⑤結婚等により自動的に他国の国籍を取得した成人、という分類もありますが④は
こちらのように特殊な分類で、⑤は(自己の意思によらず重国籍になった場合なので)日本国籍離脱の義務はないため、実質的な問題からは外れます。
関連項目
参考サイト
「国際的な重国籍容認、否認の傾向」についての詳細
各国で異なる重国籍の扱い - コロコロ変わる国籍法 GCNET グローバル市民権ネット
http://www.gcnet.at/countries/variety.html
最近、国際的に、重国籍を容認する国が増えているが、法改正直後に、重国籍を制限する調整を行う国が多いことに注目すべきだと思う。無制限な容認は、思わぬ弊害を産むことが多いからだろう。一度与えた国籍は、容易に剥奪できないし、国籍の有無は大きな権利の差をもたらし、社会に不平等を産む結果になるので、法改正は慎重に行う必要がある。
いわゆる重国籍容認国は、多くの場合、ヨーロッパ型のように、国民が外国で外国国民として暮らすことを許す一方、帰化外国人には外国籍離脱を免除し、留保を許すという対応を取っており、国内で外国国民の権利を使うことを許しているわけではない。国内では通常、単国籍国民として扱う。米国は米国帰化者に「外国籍を放棄します」という宣言を求め、実際は、外国籍留保を許すが、帰化者が米国のお役所で複数の旅券を提示すれば、外国旅券をその場で破り捨てられる場合もあり、外国の参政権(選挙投票)を使ったことが発覚し、米国籍を剥奪された人もあるらしい。
オーストラリアも重国籍を認めたが、海外の国籍国で暮らす重国籍のオーストラリア人に対しては、オーストラリアの外交保護は及ばないことを政府が明記している。
上記のように、国際的な流れは容認の方向にいったり制限の方向にいったりと、各国でも時々の政権や国民感情によってコロコロ変わるのが実情のようです。ドイツでは重国籍容認を含めた移民政策に寛容な国籍法が総選挙の最大級の争点となり、移民政策に寛容だった政権が反動で倒れたなどの事例もあるようです。
重国籍容認を求める主張の際に用いられる「重国籍容認国のリスト」に関しても、法制度上重国籍容認を明記しているのではなく、オランダのように、実態の把握が難しいので帰化の際に旧国籍の離脱を強制しなかったり、例外があって事実上黙認の国も含まれていて、そういった主張の際に使われる「リスト」は当てにならないようです。
なお、
日本もそういった基準に照らせば「実態の把握が難しいので実質的に黙認」という状態ですので、重国籍容認国に分類されます。
関連項目
重国籍容認を求める請願を行っているサイト
重国籍容認反対論のまとめ・署名サイトや要約
重国籍問題に関する当事者向けのQ&A
現在の日本の法律では、重国籍は認められているのでしょうか?
現在の日本の法律では、原則的に22歳以降の重国籍は認められていません。
海外在住者や重国籍者の中には「重国籍の権利は認められている」といっている人もいますが、それは独自の間違った解釈です。
自己の志望で外国に帰化した場合は、その時点で日本国籍を喪失していますので国籍喪失届けの提出を要求されますし、重複旅券の使用等が法務省や外務省に発覚した場合は戸籍窓口から国籍選択の催促が来る場合があります。
現状は、(出生によって重国籍となった)一般の重国籍者に対してまでは厳しく法律を運用せずに「消極的に黙認」しているといった感じのようですが、積極的に外国籍の権利を使った場合には、日本国籍が剥奪されるリスクもあるのだと認識しておく事は重要だと思います。
関連項目
重国籍者への催告は一度も行われていないと聞いたのですが、重国籍は認められているのではないでしょうか?
「催告」という国籍法15条に定められた手続きの場合は、外国籍の権利などは使用せずに、ただ届出を懈怠しただけや手続きミスという理由だけでも日本国籍を喪失してしまうため、そこまでの強硬手段はとらないために一度も「催告」という手続きが行われた事はありませんが、
重複旅券の使用等で違法に外国籍の権利を使用している事が発覚した場合は、「催告」ではない国籍選択を迫る通知が戸籍役場から来ますし、海外在住者にも通知が来たケースも報告されていますので、「催告がされた事がない事=重国籍の容認」とする解釈は間違いです。
詳しくは、
追加ページの当該項目に記載しました。
重複旅券を使用していますが特に問題視されていないので、重国籍は認められているのではないでしょうか?
重国籍者の重複旅券使用に関しては、
国籍選択の期限を迎えていない間は許可されていますが、自己の志望により外国に帰化した人が、その後も日本旅券を使用するのは違法です。
問題視されていないのは合法的に重国籍を維持できる国籍選択の期限を迎える前の重国籍者で、それ以外のケースでは、不法入国外国人として退去強制処分になる事もあり、事実を知りつつ虚偽申請した場合は厳罰化した罰則の対象になるなど、厳しい対処がされています。
外務省 旅券法が改正されました
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/kaisei.html
(2)旅券犯罪に対する罰則の強化
増加・深刻化する旅券犯罪に的確に対処するとともに、国連国際組織犯罪防止条約を補足する「密入国議定書」(日本は平成14年12月9日署名)の国内的実施を担保するため、旅券犯罪に対する罰則(改正法第23条)を強化しました。
具体的には、
虚偽申請等による不正取得、自己名義の旅券の譲渡貸与、他人名義の旅券の不正行使等の罪に係る刑の引き上げ(5年以下の懲役、若しくは300万円以下の罰金、又は併科)、新しい規定としての偽造旅券等の所持等の処罰化(法定刑は上記に同じ)
、営利目的事犯の加重処罰化(7年以下の懲役、若しくは500万円以下の罰金、又は併科)、及び未遂罪の新設等です。
重国籍の子供に片方の親の国籍を捨てさせるのは非人道的だと思うのですが?
結論からいえば、この主張は各種のケースを混同してしまっているので、「子供に」親の国籍を捨てさせるという前提自体が間違っています。
国籍選択制度によって重国籍者が片方の外国籍を放棄する場合、以下の2つのケースに分かれます。
①出生によって自動的に重国籍になった一般重国籍者
②届出による国籍取得
このうち、
①出生によって自動的に重国籍になった一般重国籍者に関しては、22歳までは国籍選択の必要はなく、合法的に重国籍を維持できます。
22歳を「子供」というのはおかしいので、問題となってくるのは、
国籍法3条1項の改正によって発生する「②届出による国籍取得」のケースだと思いますが、
こちらのケースで子供の国籍喪失の原因となっているのは、日本政府及び日本の法制度ではなく、外国政府及び外国の法制度です。
詳しくは、
追加ページの当該項目に記載しました。
「重国籍が容認されていないために、外国に帰化すると親の介護が出来ない」というのは本当でしょうか?
表題の主張は「外国に帰化して日本国籍を失った場合、両親の介護のために日本に帰国しても外国人扱いで短期滞在しか出来ないので、両親の介護ができない。こういった弊害を解消するために重国籍を認めるべきだ」という論旨になっていますが、これは間違いです。
法務当局の国会答弁にもありますが、こういったケースでは、
観光ビザで来日して短期の在留資格であろうとも、日本滞在中に「日本人の配偶者等」への在留資格の変更を申請することによって在留期間は3年又は1年が認められますので、現状でも親の介護をする事は可能です
(「日本人の配偶者等」は、日本人の子供ならば外国に帰化しても認められる在留資格です)。
重国籍問題に関する当事者以外への影響のQ&A
国籍法は鎖国的発想の「血統主義」よりも「出生地主義」の方が先進的なのでしょうか?
表題の主張は、「欧米の例に倣って21世紀に相応しい国籍法を~」といった文脈で出てきますが、
「血統主義」と「出生地主義」は国籍立法における考え方としての優劣はなく、それぞれ一長一短ですので、どちらかが先進的であるという事はありません。
日本の国籍法における「血統主義」に関しても、純粋な意味での「血統」に拘っているのではなく、立法における考え方として「出生地主義」と比較した場合に適切だから採用しているのであって、「血統主義の弊害」を解消するために「出生地主義」を採用した場合は、以下のような「弊害」が新たに生まれてきますので、そういった「新たに出てくる弊害」も合わせて議論すべきだと思います。
「出生地主義」の採用による弊害(順次追加予定)
①子供が外国で生まれた場合、両親が日本人であってもその子供は日本国籍を取得できなくなる
②米国の事例のように、韓国等の徴兵の義務がある国の国籍保有者が子供の徴兵逃れのために遠征出産をしに来る
③不法滞在者の子供にも日本国籍を付与する事になり、米国の事例のように「米国市民権保持者の家族」の在留資格を目的にした出産をする妊婦(不法滞在者)を呼び寄せる事になる
④親が外国人であっても、日本で生まれた子供には必ず日本国籍を付与する事になるので(単純労働)移民の増加や移民コミュニティの発生による文化摩擦等の問題が引き起こる
⑤アジアと欧州は地政学上の違いがあるため、安易に国籍を付与すると安全保障上のリスクを抱える
関連項目
重国籍を合法化した場合、現行の幹部公務員への「国籍条項」への影響はあるのでしょうか?
現在、外国人(永住者)と日本国籍保有者の違いは参政権と幹部公務員への就任資格(公務就任権)があるかないかが主なものになっています。
外国人の公職への制限に関する運用は、内閣法制局の法解釈である「当然の法理(「公権力の行使または国家意思の形成への参画にたずさわる公務員となるためには、日本国籍を必要とするものと解すべきである」という解釈)」に制約されるので、現在は一部の公務員任用・昇進試験の受験資格には「国籍条項」が存在します。
この「当然の法理」は明文規定ではなく解釈なので、明文規定に基づいた違った運用がされるようになれば、有名無実化される可能性もあります。
無制限の重国籍容認の場合、
外国籍の権利を使用している重国籍者がほとんどの公職に就ける事から、便宜的な日本国籍取得と合わせた公務員の国籍条項の大幅削減としての機能を果たします
し、「外国籍の権利を使用している重国籍者がほとんどの公職に就けるのに、外国人への「国籍条項」を残しておくのはおかしい」として、権利獲得のための訴訟が起こされるといった事も想定されます。
詳しくは、
追加ページの当該項目に記載しました。
重国籍を容認すれば外国籍を選ぶ子供も日本人となるので少子化の日本で労働力が増えるのではないでしょうか?
表題の主張は「重国籍を容認する事によって、外国籍を選ぼうとする子を日本人としても維持できる。外国で働くとしても、日本と経済的な繋がりがある場合もあり、そのような人々が日本へ帰国・移住して働くとなれば、日本の労働力の増加にも繋がる」といった論旨になっています。
日本の在留資格及び就労資格の整理として、
日本人(日本国籍所有者)の子供及び孫には、外国人(日本国籍放棄者)であっても、就労制限のない「日本人の配偶者等」もしくは「定住者」という在留資格が身分(血統に基づく特例)に応じて与えられます
ので、そういった子供達は日本国籍を放棄していても日本で働く事は可能です。
そのため、両親が海外在住の場合は保証人を見つけるのに手間がかかる事、本人の心理的抵抗が~といったものを除けば、重国籍容認によって「国内で働く労働力」が増えるといった事はありません。
参考サイト
「成人の重国籍を容認すれば頭脳流出が防げるため、韓国などでも重国籍容認の方向に向かっている」というのは本当でしょうか?
「韓国が頭脳流出を防ぐために重国籍を容認した件」に関しては、背景事情は
「①兵役の義務の回避」のために重国籍を利用する人が続出したので、その対策をしたというものです。
韓国籍を放棄する重国籍者の95%は男性で、子供の兵役回避のために母親が米国で遠征出産して重国籍を取得した男性、米国に帰化する研究者や留学生などが増え続けて「兵役の義務の回避問題」が浮上して、その問題の解決のために紆余曲折を経て決まったのが重国籍容認です。
日本には、徴兵の義務に絡む問題はありませんので、重国籍を容認すれば韓国のように頭脳流出が防げるという見解は間違いです。
日本の背景事情と合わせた詳細は、
追加ページの当該項目に記載しました。
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