SF百科図鑑
ジョージ・オーウェル『1984年』ハヤカワ文庫NV
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ジョージ・オーウェル『1984年』ハヤカワ文庫NV
(読んだ時期)1995~6年頃?
ディストピア小説の極北。思想統制が隅々にまで及び、言語までが改変され洗脳に利用されているという恐るべき未来社会の悲劇を描いている。全編を覆う重く絶望的な雰囲気、統制手法(特に言語)の隅々まで緻密に描写される圧倒的リアリティと、とにかく完璧すぎる作品である。徹底的なまでに希望の光は排除され、完膚無きまでのバッドエンドで主人公は処刑される。巻末には作者が本書執筆のために考え出した「思想統制用の改変英語」の詳細な解説までが付くという徹底ぶりである。
余談ながら本作は映画化されているが、その映画も凄かった。実はわたしは映画を先にレンタルで見ており、あまりの衝撃に書店に直行し本書を購入、一気に読み終えたのを覚えている。
(2005/12/11)