SF百科図鑑

Algis Budrys "Rogue Moon"

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April 26, 2005

Algis Budrys "Rogue Moon"

無頼の月プリングル100冊より、アルジス・バドリスの「無頼の月」。中篇版がSFマガジンに訳されたことがあり、持っているが未読。そちらにもそそられるがこの長編版を読む。Michaelmasが今一だったので不安もあるが&&。

感想・粗筋追記2005.4.27


意余って力足りずの典型だ。
テーマはアイデンティティの問題。自分とはいったい誰なのか。同じ記憶を持っている別の肉体がある場合、いずれが自分なのだろう? 最終的に問われるのはこの問題であるが、本作はこのテーマを扱うために、月面の謎の構造物の探査という達成課題を設定し、その解決手法として、「人間を物質転送機で送りながらバックアップをもう一人作り、両者の記憶を同期させる」という方法を導入する。
だが、このような方法の不合理性は明らかだ。この構造物に入った全ての人間が死んでおり、非常に危険である以上、そもそも人間が調査に入ること自体が合理的でないから、当然、無人のプローブを送りこむ手法及び外部から無線的手段でデータ測定する方法を採用するのが合理的である。わざわざ(殺人、人格コピーという二重に非人道的な結果を伴う手法で)人間をコピーしてまで中に送りこむ必要性がない。本作がテレビドラマ化されれば、まず冒頭部分でこの設定が紹介された時点で、大半の視聴者が「ありえねえ」「くだらねえ」とつぶやき、チャンネルを替えるであろう。
次に本作のラストも、ありえない。本作の主人公ホークスのMは、バーカーのMと構造物からの生還と言う課題を達成した後、「地球にいるバックアップコピーのLと地位が重複する」「自分達は本物のホークス&バーカーではない」という理由で、バーカーMに死を薦め、自らも死を選ぶ(地球上のホークスLには恋人をよろしくと置き手紙をしている)。しかし、月面のM人格が死ななければMとLが重複することは初めから容易に想像がつく。したがって、そのような場合に両者をいかに社会的に共存させるかをあらかじめ全く手当てをしないまま、こういった非人道的計画が進められること、また、被験者との雇用契約が締結されることは、いずれも考えがたい(米ソ軍拡競争という状況から軽視ないし無視されたと言う設定なのだろうが、それにしてもいい加減に過ぎる)。それゆえ、最も読者を考えさせる決めともいうべきこの部分が全く説得力がなく、馬鹿馬鹿しく見える。テレビドラマでこのままのオチならば、「そうなることは初めからわかってんじゃん、馬鹿じゃねえの」といわれ、2ちゃんねるのスレッドでは「脚本が糞」「くだらん」のレスが次々と積み上がるだろう。
このように本作は、テーマ自体は面白いにもかかわらず、そのための状況設定に完全に失敗している。これは素人でも容易に気がつくほどのレベルであり、とうてい見過ごしがたい。
このような「壊れた状況設定」の中で、結末におけるアイデンティティ・クライシスのおそろしさを読者に強く実感させようとして、本書の大半が涙ぐましいまでに主要登場人物のちまちました人間ドラマの描写(愛憎、三角関係、幼時・若年時の悲惨な経験やコンプレックス)に費やされる。その人間ドラマ自体に優れた物語性があればいいが、稚拙であり、「子供が背伸びしてみました」程度のものにとどまっている(後記の要約が短文になったり省略されたりしていることが多いのも、こういった本筋に関係ない余計な描写がやたらに多い上に、内容がスカスカなためである)。
総じて、バランスが悪い上に、個々的に見てもあらゆる意味で出来が悪く、誉める部分がない。これに比べれば、フジテレビのドラマ「曲がり角の彼女」の脚本のほうが遥かに面白い。
テーマ設定だけが面白いが、それ以外に全くとりえがないという、実に気の毒な作品である。

テーマ性  ★★★
奇想性   ★★
物語性   ★
一般性   ★
平均    1・75
文体     ★
意外な結末★★
感情移入 ★
主観評価 ★1/2(16/50)

<要約>
無法の月 アルジス・バドリス

「ジャーニーマン」編集者、ラリー・ショーに

止まれ、客人!
今の君、かつて私もそうだった。
今の私、やがて君もそうなる。
死に備えよ、そして私に従え。
ニュー・イングランドの墓石の文句

第一章

一九五九年のある日の遅い時間、三人の男が部屋に座っていた。
科学博士エドワード・ホークスは、突き出した両肘をデスクに乗せて身をかがめ、ばかでかい両手を長いあごに添えて、顔を揺り動かしていた。黒髪で肌は白く、めったに外に出ないひょろひょろした男だった。博士と初めて会う人は、日焼けした若い助手たちと見比べ、いつもかかしを連想する。いま博士は、目の前にまっすぐ置かれた椅子に腰かけた若い男を見ていた。
若い男は瞬きもせず見つめていた。短く刈った髪は汗で濡れ、頭皮に貼りついていた。顔立ちはすっきりとしており、肌は清潔で健康的だが、あごは汗で湿っていた。「暗い&&」不満気にぶつぶつ言う。「暗い、どこにもない、星灯りは&&」声は急に途切れがちなつぶやきに変わったが、相変わらずぶつぶつ言っていた。
ホークスは右を見た。
最近雇われた心理学者のウェストンが、ひじかけ椅子に座っていた。ウェストン自らホークスの研究室に持ち込んだ椅子だ。ホークスと同様ウェストンも四〇代前半だった。だが、がりがりのホークスと対照的に、ウェストンはがっしりとしていた。黒ぶちメガネに隠れた顔は冷静で都会的、そして今は少しいらだっていた。ホークスに向かって少し顔をしかめ、片方の眉を上げた。
「この男はおかしくなってる」ホークスは、子供が不思議がるかのように、ウェストンに言った。
ウェストンは脚を組む。「私は前もって言ったはずだ、ホークス先生。この男をあなたの装置から引っ張り出した時から言っていた。この男の身に起こったことは、とても耐えられないものだったのだ」
「確かに言ったな」ホークスは穏やかに言った。「だが、私にはこの男に責任がある。確かめる必要があるんだ」若い男のほうに向き直ろうとして、ふたたびウェストンを見た。「この男は若い。健康だ。人並み外れて落ちつきがあって、回復が早いと、君も言っただろう。実際、そう見えた」ホークスはおもむろに付け加える。「それに、頭も切れた」
「確かに落ちつきがあるとは言ったが」ウェストンは必死で説明した。「人間離れして落ち着いている、とまでは言っていない。ただ、例外的な人間のサンプルだと言っただけだ。この男をいかなる人間も行くべきではない場所に追いやったのは、あなたです」
ホークスはうなずいた。「ああ、もちろんそうだとも。私の過失だ」
「それはそうと」ウェストンは急いで言った。「この男は自ら志願したのだ。危険は承知の上で。命を落としかねないことだって、分かっていた」
しかしホークスは、ウェストンを無視した。再びデスク越しにまっすぐ前方を見た。
「ローガン君?」柔らかく言う。「ローガン君?」
そして、ローガンの唇がほとんど音も立てずに動くのを見ながら、答えを待った。やがてため息をつくと、ウェストンにきいた。「この男を助ける方法はあるかね?」
「治療は可能だ」ウェストンは決然と言った。「電気ショック療法だよ。あそこで起こったことは全部忘れられる。すぐによくなるさ」
「電気ショックによる忘却が永久的なものだとは知らなかったな」
ウェストンはホークスを見ながら目をしばたたいた。「もちろん、何度か電気ショックを受けなおす必要はあるかも知れんがね」
「残りの人生の間ずっと、何度もってことか」
「必ずそうなるとは限らないよ」
「だが、そういうケースが多いんだろう」
「まあ、それはそうだが&&」
「ローガン君」ホークスはささやくように言った。「ローガン君、申し訳ない」
「暗い&&暗い&&僕は痛い、とても寒い&&静か過ぎる、自分の体内の音が聞こえる&&」
***
物質転送機で月に人体を転送しながら、地球にそのコピーを残す。月ではエイリアンの構造物があり、その中に送られた人間は皆狂死する。この人間は地球上に残ったコピーと精神がリンクしているので、コピーを調べることでオリジナルに起こったことを推測できるのだ。(プリングルの解説で脳内補完)
***
エドワード・ホークスはメインラボラトリーで部下のサム・ラトレットと話す。サムは、この研究のパトロンであるコンチネンタル・エレクトロニクスのコビイがこの研究に難色を示し手を引くのでないかとの懸念を示す。が、ホークスは意に介しない。かれは、死に直面しても発狂しない転送要員を求めていた。いざというときに発狂してしまうのでは、真相をつきとめられない。死への願望を持つ狂人こそが最適任者だった。


ヴィンセント・コニントン人事担当役員は、ホークスに、実験にぴったりの要員を見つけたと告げた。
***
コニントンによるとその男は近くの海辺にすんでいるらしい。車で案内にしてもらうことになった。コニントンは社長を目指していた。
***
コニントンは車で海辺のアル・バーカーの家に連れていった。彼は第二次大戦のパラシュート部隊として従軍し、暗殺者として活躍、戦後は様々なスポーツで活躍した有名人だった。スキー、ボブスレー、スキンダイビング、登山、現在はF1出場を目指し車を造っている。
***
バーカーの家は車で乗り入れられない急斜面の上にあったので、下に車をとめて登っていった。


ホークスはクレア・パックと言う女に紹介された。
***
ホークスはバーカーの友人だと言うクレアから彼のことをきく。コニントンの見立ては正しかった。
***
ホークスはバーカーに会う。
***
ホークスはバーカーに月へ行く仕事を持ちかける。


ホークスはバーカーに詳細を話そうとするが、バーカーは「自分は仕事を受ける、後で聞く」と言う。コニントンは「お膳立て通りね」とクレアに笑われ、感情を害して車に戻る。


コニントンの車が壊れたので、ホークスは歩いて帰ることにする。
***
バーカーは車でホークスを追ってきて話しかける。明日、門で待っていると。ホークスは、「あなたは自殺者で、私は殺人者なのだ。私はあなたを何度も殺すのだ」と謎の言葉を残し、歩み去る。

第二章
帰り道のガソリンスタンドで、ホークスは若い女の運転する車に乗せてもらう。
***
女は25歳のファッションデザイナー、エリザべス・カミングス。ホークスは45歳。どちらも独身。翌晩会う約束をし、研究所まで送ってもらう。

第三章

翌朝九時、研究所に現れたバーカーをホークスは迎えに行く。
***
ホークスはバーカーを迎え、実験の詳細を話す。物質移送機で人を月に送ること。大変な経験をすることになること。サムは不治の末期ガンで余命1年だからこそ、ここで働いていること。


いよいよバーカーの出発準備を始めた。
***
エンサイン係とバーカーは古典文学の引用合戦でやりあう。


秘書より電話。トム・フィリップスから。この実験の副作用について委員会で問題になっているらしい。
ホークスはバーカーにホリデイ医師の診察を受けるように言う。
***
ホークスはコビイにサムをテッド・ガーステンに代えることと明日までの早急な実験の認可を求める。
***
だがコビーはサムをコントロールしやすいから代える気はないと言う。
***
コビーと口論の末、何とかホークスはサムをワクステッドにかえすことを同意させる。


ホークスはバーカーに、人体転送と共にコピーが作られるが、そのコピーはオリジナルと全く同じ記憶を持つから死ではないと説明する。それからトランスミッターをチェックするサムと話す。
***
ホークスは新しい助手のガーステンと話す。


ホークスはエジソンのたとえをあげながらコピーのバーカーがバーカーであることをバーカーに説明する。
***
エンサイン係のフィダンツァトとの会話。
***
転送実験。受信機からバーカーが気分良好と答える。

第四部
ホークスはエリザベスに物理学を志すまでのおいたちを話し、レントゲン写真に手を加えることでオリジナルの病気を治せるような機械を作りたいと話す。
***
エリザベスに「いつでも来てね」と見送られてホークスは出る。

第五部

ホークスはついにバーカーに計画の全容を語る。米ソはそれぞれ月の裏側の開発を競っており、米側は物質転送機を使って月面の裏側に基地を作ったが、基地を作った男が、近くに奇妙な構造物を発見し無断で探検、死体で発見された。以後、その構造物の調査を行っているが入ったものが長くとも三分五二秒で奇怪な死を遂げるため、その中の構造等が一部しかわかっていない。どうも三次元の物体ではなさそうだ。バーカーが調査するのはその構造物である。


ホークスはウィル・マーティンと話す。
***
「このフォルダによると、僕の体はばらばらになるかもしれない、血が宇宙服の外側に出るかもしれない。何が起こるかわからない」とバーカー。
「でも動かなければ即死。この構造物がなんなのかわからない。エイリアンのトマト缶かもしれない。それを調べるカブトムシのような存在になるのかもしれない」ホークスはバーカーの首筋のルージュの跡に気付いた。「誰か別れを惜しむ女性が?」
「カブトムシの心ですよ、しょせん」バーカーは笑い飛ばした。「つめたい、冷たい心」
***
ホークスは、バーカーの任務を話す。バーカーの肉体は月面に送られるオリジナルのMと、地球に残るコピーのLに分離する。だが、LはMの肉体に入っているかのようにMの知覚することをそのまま知覚する。Mが死ぬまでその近くを全く同じように知覚するのだ。そして彼は前任のローガンMの死体のところまで行き、その先を探る。ローガンMの死因は、ローガンLが発狂したのでわからない。そしてバーカーMも確実に死ぬ。それを発狂せずに見届けて報告するのが、バーカーLの任務なのだ。


いよいよ月面にバーカーのデータが送信された。
***
研究所内のレセプターにはバーカーLが現れ、「僕はここにいますよ」と言った。
***
バーカーはレセプターから出てテーブルにつく。元気そうだ。ホークスらが話しかける。
***
バーカーLは月面での経験を語る。基地に現れ、係員に案内され、例の構造物に入った。中は狂った論理で支配されていた。ローガンMの遺体を越えて遥か奥まで進んだ。だが、それにとって彼は無でしかなかった。彼が覚えているのは──空中の三匹の魚。傾いた階段。「ぱしゃ!」という三つのテキスト文字。最後に覚えているのはそれだけだった。
***
バーカーの健康状態は問題なかった。彼はホークスに家まで送ってもらうことになった。
***
コニントンも同行すると言いだした。サムは求職が難航しているらしい。


ホークスはクレアと話す。クレアはアルの様子を心配する。
***
ホークスは去る。


ホークスはコニントンにバーカーの様子を聞く。2階にいるらしい。
***
ホークス、コニントン、クレアの会話。内容省略。


ホークスはバーカーに君が狂わないのは俺達がいるからだという。


ホークスは家の外でクレアと口論。内容省略。
アルの電話を借りて車を呼ぶことにする。
***
家に入ると、コニントンが女のベッドにいたと言って、バーカーがコニントンをしこたま殴っているところだった。
***
クレアはコニントンをかばい、バーカーを止める。ホークスは電話で車を呼び、「明日研究室に来るよね?」とバーカーに言う。バーカーは、「今あんたに行かれたら、おれには何が残るんだ?」と叫んだ。

第六章
ホークスはエリザベスのスタジオを訪ねる。
***
ホークスはエリザベスに女のことでトラブルがあったと相談する。エリザベスはあんたは何であたしと寝ないのと言う。
***
ホークスは若いころ女とつきあっていたが女が積極的になったとたんに愛情が失せた話をエリザベスに打ち明け、「僕は女に対して精神的問題をかかえているんだ」と認めた。
「多分あなたは死に対する精神的問題があるだけね」
「ああ、そのとおりだ」
***
ホークスはエリザベスに車で送ってもらう。
***
ホークスは車を降りる。

第七章
次の日バーカーは目の周りを赤くして研究所に現れた。アンダースーツに着替える手は震えていた。
ホークスはバーカーのところへ歩いていった。「よく来たね、ほっとしたよ」恐る恐る言った。
バーカーは目をあげたが何も言わなかった。
ホークスは言った。「本当に大丈夫なのか? 気分が悪ければ、明日に延期できるんだよ」
バーカーは言った。「僕のことを心配するのはやめてくれ」
ホークスは両手をポケットに入れた。「よかろう。ナビゲーションの専門家には会ったのかい?」
バーカーはうなずいた。
「昨日の結果を明確に説明できたのか?」
「みんな楽しそうに作業してたよ。かれらが内容を吟味してレポートを机の上に置くまで待っててくれないか? 僕があそこで見つけたものが、あんたに何の関係がある? 僕があんたと距離を置いている間は、邪魔しないでほしい。そうだろう? あんたは僕に何が起ころうが知ったことじゃないんだ。僕の任務は要するに、あんたんとこの優秀な技術者があそこに何かをとりに行くときに道を間違えないよう、道標をつけることなんだ。違うか? だからあんたが僕を失って、別のアルバイトを雇わなきゃならなくならない限りは、あんたに関係ないんだろ? どうするつもりなんだ? コニントンは頭の中でいったい何人を計画に入れてると思う? この場所と何の関係もない計画で? だからほうっておいてくれないか」
「バーカー&&」ホークスは頭を振った。「いや、忘れてくれ。話してもしょうがない」
「その考えを貫いて欲しいね」
ホークスはため息をつく。「いいとも。だが一つだけ言うことがある。この計画は天文学的条件が許す限り、毎日続けられる。君があの構造物の反対側から出てくるまでは終わらない。一度始めた以上、今更止めるのは難しい。だが、もし君が休みをとりたくなったら──休みたまえ。車の整備をするといい。何でもいい──もし可能なら、われわれも休む。われわれは&&」
バーカーの唇がしゃくれた。「ホークス、僕は仕事をするためにここにいる。やる気があるんだ。それ以外にやりたいことはない。わかってくれるか?」
ホークスはうなずいた。「わかるとも、バーカー」ポケットから両手を出した。「あまり時間がかからなければいいな」
***
その日のバーカーの生存時間は、四分三八秒に延びた。
***
生存時間が六分二〇秒に延びた日、コニントンが訪ねてきた。退職をし、東へクレアと引越し、仕事を探す予定だと言うことだった。
***
バーカーはクレアをコニントンに奪われ、市内に引っ越してきた。彼の生存時間は順調に延びた。
***
ホークスはラトレットの訪問を受けた。
***
サムは、「自分があなたにしたことはこれまでで最悪のことだ。最初は助けようと思っていたのにどうしてあんなことをしたのだろう」と懺悔して帰る。
***
ガーステンは首になるかと疑い、昔軍隊で落第したからこの道に進んだ過去を話した。
***
ホークスはコビイに呼ばれる。カール・リード(コンプトローラー)とホッジ(コマンダー)がいて、スキャナー&デュプリケーターを作るのがいかにコストがかかるかを諭す。ホークスはリードにきく。「あの機械がどういう原理で作動するかご存知ですか?」
「ざっとなら」
***
ホークスは説明する。リードは、あの機械を使って自己複製をすれば同種の機械を低コストで大量に作れるのではないかという。
***
ホークスは、バーカーに、既に生存時間が9分30秒になっており、MとLのリンクが後半では途切れがちになるというが、バーカーは、「もう少しで反対側に着きそうなんですよ! 感じるんです」という。「感じるだけか?」とホークス。そしてホークスはエリザベスに電話をかけ、壁を殴りながら夜のデートの約束をする。呆れて見つめるバーカー。

第八章
ホークスは戦時中の経験をエリザベスに語る。エリザベスは愛してると言う。
***
二人は海辺にでて、エリザベスは幼時体験を語る。「なんて美しい場所!」浜を見て二人はいう。

第九章

ホークスはバーカーに本当に構造物の反対側に行けそうなのかときく。
***
彼らは転送の準備を進める。ホークスも同行。


ホークスとバーカー(M)は月基地に着き準備を調え構造物の前に立つ。


二人は構造物に入り、10分弱かけて反対側に生きて出る。そして外の見張りと共に基地に戻る。


ホークス&バーカーLの描写。


ホークス&バーカーMは報告をし、外に出る。バーカーは構造物から出たくなかったと語る。
***
ホークスは、バーカーに地球に戻るべきでないと話す。彼らはただの影に過ぎない。地球に戻れるとしても地球にいるLとの間で争いが起こる。宇宙服の酸素は数分で切れる。ここで死ぬべきだと。
バーカーは拒否し、エアロックに向かう。ホークスは外にとどまり死を待つ。


地球ではホークス&バーカーLがレシーバーから出る。彼らは構造物から出たあとのMの行動について話す。リンクが切れてしまったからよくわからないが、軍から後で報告があるだろう。
ホークスはいう、「おれはホークスじゃないんだ。ただホークスだったと言う記憶があるだけで、実際は25分前レシーバーで合成された。あんたとも会うのは初めてなんだよ」そして、彼に残されたメモを見た。「彼女によろしく」と書いてあった。
~完~
silvering at 06:28 │Comments(6)TrackBack(0)読書

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この記事へのコメント

1. Posted by slg   April 26, 2005 19:42
35ページ。今のところつまらない。無駄な描写が多過ぎて、話がなかなか進まないといういつものバドリス節だ。こいつ、ほんとうに下手だ。
2. Posted by slg   April 27, 2005 00:24
70ページ。
く  だ  ら  ん
3. Posted by SLG   April 27, 2005 02:03
96ページでやっとプロローグが終わり、本題に入った。本当にこいつ、とにかくプロット、構成がまずい。既にほとんど愚作確定だが&&。だって、188ページしかない本のプロローグが100ページ近くあるんだよ、いくら何でも&&。
俺はこれから全てのSFの価値を「そのままの内容でテレビの連続ドラマ化して、有名俳優を使わずに平均視聴率15%を取れるか否か」で決めようと思っている。
この作品は、バーカーがキムタクなら20%ぐらいはいくかも知れんが、安部サダヲなら5%切るだろう。
4. Posted by 手下X22   April 27, 2005 13:34
ワロタ
5. Posted by slg   April 28, 2005 01:47
今年読んだ中ではこれが最低かもしれない。
要約のやる気の無さに、私の本作への印象が如実に表れている。
6. Posted by slg   May 05, 2005 04:39
アイデア  ★★
ストーリー ─
キャラクター─
文体    ★
主張    ★★
合計    ★(10/50点)
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