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軍用機にはF-15や殲撃-11などのような名称があり、これには一定の命名規則があるが、それは国ごとに異なる。
機体製作メーカー名がつけられることも多いが、現在では管理上の問題から用途別に名称をつけることが多い。
また規則ではあるが絶対ではなく、命名通りの運用が必ずされるわけではないことに注意したい。
目次
西側諸国でよく見られる命名法
命名規則
機体命名法ではアルファベットなどの記号の組み合わせで命名されるが、これには一定の規則がある。
アメリカや日本の場合、左側を先頭とし次のような形になる。
【状態】【従任務】【主任務】【飛行形態】【固有番号】【改修・派生型】【ブロック】【個別製造番号】
例:
F(主任務)-15(固有番号)J(改修・派生型)
A(主任務)H(飛行形態)-64(固有番号)D(改修・派生型)
V(飛行形態)-22(固有番号)
- 状態(Status)
通常に運用されていれば付けられない。その機体が現在どのような状態になっているかを示す。
例えば飛行停止処分を受けるなど。
- 従任務(Modified mission)
副次的な任務を与えられている場合に付けられる。
- 主任務(Basic mission)
主たる任務を指し、ほぼ必ず付けられる。例外もある。
- 飛行形態(Vehicle type)
ヘリコプターなどの通常の固定翼機ではないものに付けられる。
- 固有番号(Peculiar number)
設計番号のことを言う。制作時にメーカーに割り振られるため実際に採用されなかった機体も含む。
そのため次に作られたからと言って連続した番号に必ずなるわけではない。
例:F-16の次はF-22
- 改修・派生型(Repair)
近代化改修や偵察機への改修、輸出用の派生型などの場合Aから順に付けられる。(ただしIとOは数字の1と0と紛らわしいため付けられない)
慣例として特定の輸出国用モデルでは特定の記号を付けられることがある(例:日本向け改修型のF-15JやSH-60Jなど)
- ブロック(Block)
改修・派生型の中で一部電子機器の換装など小規模な改修をされた場合に付けられる。必ずしも付けられるわけではない。F-16C Block30など。
- 個別製造番号(Serial number)
いわゆるシリアルナンバー。各機体ごとに異なるもので、定められた数字で取得年、機種や主任務(飛行形態)、製造番号が表わされる。
自衛隊では西暦下一桁、機種番号一桁、ハイフンを挟み任務番号一桁、製造番号三桁で表わす。
例:46-5726の場合、1994年取得・T-4・練習機・T-4の初号機は601なので126番目に製作された機体、となる。
アメリカ空軍では、所有軍二桁、ハイフン、取得年西暦下二桁、ハイフン、機体製造番号四桁中下三桁、となる。
例:AF-04-001の場合、AFが空軍所属を。04は2004年。001は一号機を指す。
- 愛称
F-15「Eagle」などの愛称。F-15で言えば単純にイーグルと言ったり、F-15イーグルと言ったりする。
軍やメーカー関係者や公募などによって公式のものとして決められるが、無い場合もある。
また公式に決定した愛称より、現場で呼ばれている愛称が定着することも多々ある。
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略号の意味
【状態】
G(Permanently Grounded) |
永久飛行停止 |
地上訓練で用いられる。滅多につけられない |
J(Special Test, Temporary) |
臨時特別試験(試験終了後復元可能) |
一時的な一部の改修試験 |
N(Special Test, Permanent) |
永久特別試験(試験終了後復元不可) |
永久的に特別な試験を受ける。NASA委譲機など |
X(eXperimental) |
実験機 |
主に開発段階の機体に与えられる |
Y(prototYpe) |
試作機(試作後の実用試験など) |
実用的段階にこぎ着けた実験機に与えられる。最近はあまり使用されない |
Z(Planning) |
計画機 |
開発前、計画時の段階に付けられる |
【従任務】
A(Ground Attacker) |
攻撃機 |
主に低空での地上攻撃や対艦攻撃を行う |
C(transport) |
輸送機 |
人員や物資を輸送する |
D(Drone control) |
ドローン(遠隔操作)管制機:標的操縦機 |
無線操縦の機体:無人機を操作する母機 |
E(Electonic installation) |
電子戦機:早期警戒機:早期警戒管制機 |
電子戦を行う:空中レーダー:空中レーダー+指示管制 |
H(Search and Rescue) |
捜索救難機 |
捜索用器材や救難器材を搭載 |
K(Kerosene) |
空中給油機 |
空中給油能力を有する |
L(Equipped for Cold Weather Operations) |
寒冷地用装備 |
ヒーターなどを搭載 |
M(Multimission) |
特殊作戦機:掃海機:汎用機 |
主に汎用用途で使用されることが多い |
O(Observation) |
観測機(偵察機) |
陸で主に観測機という名前で使われる偵察機 |
Q(Unmanned Drone:Unmanned Aerial Vehicle) |
無人機:標的機 |
主に標的機の意味で使われる |
R(Reconnaissance) |
偵察機 |
戦術的な意味で用いられる |
S(anti Submarine) |
対潜哨戒機 |
単なる哨戒機も含める |
T(Trainer) |
練習機 |
レシプロ機から始める |
U(Utility) |
汎用機 |
主に汎用機の名称ではこちらが用いられる |
V(VIP:Staff Transport) |
要人輸送機 |
大統領専用機など |
W(Weather observation) |
天候観測機 |
上空の大気成分を調べたりなど |
【主任務】
A(Attacker) |
攻撃機 |
主に低空での地上攻撃や対艦攻撃を行う |
B(Bomber) |
爆撃機 |
主に搭載量が多く、高空からの地上攻撃を行う機の場合 |
C(Cargo transport) |
輸送機 |
人員や物資を輸送する |
E(Electonic installation) |
電子戦機:早期警戒機:早期警戒管制機 |
電子戦を行う:空中レーダー:空中レーダー+指示管制 |
F(Fighter) |
戦闘機 |
制空権確保及び維持、敵航空機の攻撃などを目的とする機 |
F/A(Fighter/Attacker) |
戦闘攻撃機(複数表記不可) |
マルチロールファイターに最近は用いられる |
F/B(Fighter/Bomber) |
戦闘爆撃機(複数表記不可) |
F/Aよりも爆撃能力を強化したものに用いられる |
L(Liaison,Laser-Equipped) |
連絡機:レーザー兵器搭載機 |
機密文書などの伝令:対電子機器及び対ミサイル弾頭部 |
M(Multimission) |
特殊作戦:掃海機:汎用機 |
主に汎用用途で使用されることが多い |
O(Observation) |
観測機:偵察機 |
陸で主に観測機という名前で使われる偵察機 |
P(Patrol) |
海上哨戒機 |
海上の国境監視などを行う |
R(Reconnaissance) |
偵察機 |
戦術的な意味で用いられる |
S(anti Submarine) |
対潜哨戒機 |
対潜攻撃能力を持つ |
SR(Strategy Reconnaissance) |
戦略偵察機 |
SR-71の制作時に作られた。※1 |
T(Trainer) |
練習機 |
レシプロ機から始める |
TR(Tactics Reconnaissance) |
戦術偵察機 |
U-2が戦術用偵察器材を組み込まれた機体がTR-1という名称になっている |
U(Utility) |
汎用機 |
主に汎用機の名称ではこちらが用いられる |
X(Special Research) |
特別研究機 |
革新的な目的によって作られた機体に用いられる。NASP X-30など |
※1 SR-71は開発当初はRS-71だったが大統領の発表直前にルメイ大将がSRに変更させ、ジョンソン大統領はSR-71で発表した。
しかし速記官が間違えてRS-71と書き、それは後にSR-71に修正されたが、発表直前に変更されたことと速記官のミスが混合され、
「大統領が言い間違ってSR-71に変更された」という勘違いを生むことになった。
【飛行形態】
G(Glider) |
滑空機 |
いわゆるグライダー |
H(Helicopter) |
回転翼機 |
いわゆるヘリコプター |
Q(Unmanned Drone:Unmanned Aerial Vehicle) |
無人機 |
RQ-1プレデターなど |
S(Spaceplane) |
宇宙機 |
スペースシャトルのOV-099チャレンジャーが実験機時代にSTA-099の名前であったが、この意味で付けられたかは不明 |
V(VTOL/STOL) |
垂直離着陸機 |
ティルトローター機などは回転翼機ではなくこちらに含まれる |
Z(Zeppelin) |
軽航空機:気球:飛行船 |
名前の由来は無論、フェルディナンド・フォン・ツェッペリン伯爵である |
東側諸国でよく見られる命名法
大日本帝国時代の命名法
編集中
関連項目
最終更新:2008年03月17日 20:36